失ってから

いつものように、就労支援の職員と話をする、
職員は、昔大企業に勤めていたらしい、
四月の私のことを知っていて、大きく変わったこと、私のように何ヵ月も休んでも、相手に自分を見つめ直すために必要な期間と話せば、分かってくれるところもあるはずと話してくれた、
もうそろそろ、動くときがきたのかもしれない、

バイト先の男子高校生は、いつも売り場が違うのにわざわざ立ち寄ってあいさつをしてくれる、すごくいい人、お手本にしたいくらいの人、
上がるときも、同じように挨拶してくれる、
今夜も同じように挨拶したけど、いつもは制服のままでくるのに私服できて、お世話になりましたと笑顔で言って去っていった、
同僚に話を聞くと、彼は今日でおしまいで、四月からは自衛隊に入隊するらしい、きっと彼ならうまくいくだろうなと、彼がいなくなる寂しさ、もっと話しておけばよかったなという後悔が出てきた、

人はどうして失ってから、その存在や価値の大切さに気づくのだろう、
そんなことを思った、
でも、一番悲しい思いをしないのは誰にも気づかれずに消えてしまうことかもしれない、
消えていなくなる前に、大切にしていくものを見極めるのは難しい、

温度調節は適度にしないといけないらしい、
知らない誰かとメールしたい、
誰かの温度に触れていたい